1985年、テキサス州ダラス。電気工でカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)が病院でHIV感染していることを告げられる。まだ、AIDSが同性愛者の病気と信じられていた時代。ロンは友人たちからゲイとからかわれ、感染についての誤解もあり相手にされなくなる。
ロンは図書館でAIDSについて調べ、同性愛でなくても感染することを知る。そして、臨床試験段階の薬AZTがあることも知る。医師のイブ(ジェニファー・ガーナー)に処方を依頼するが断られ、病院の用務員に薬を横流ししてもらう。
しばらくして、この用務員が薬の横流しを拒否し口論となるが、ロンはその最中倒れる。そして、入院した病院で性同一性障害のAIDS患者レイヨン(ジャレッド・レト)と知り合い、メキシコにいる医師を紹介される。
ロンはメキシコに行き治療を受ける。そして、アメリカでは未承認の薬をAIDS患者のために売りさばくことを考える。直接、薬を売ると捕まるため、有料の会員性クラブを作り、会員に薬を無料で配布するという方法をとった。このクラブが「ダラス・バイヤーズクラブ」だ。レイヨンを仕事の相棒にする。
未承認薬を求め、ロンは日本やオランダなどメキシコ以外にも行く。クラブは大盛況でいつも薬を求めて患者が列をなしていた。しかし、クラブはFDA(アメリカ食品医薬品局)の捜索を受ける。他方で、医師のイブは患者たちの薬を求める気持ちを考えて、複雑な気持ちになる。
ある日、レイヨンが死亡する。最初は余命半年と宣告されたロンは、診断から7年後に亡くなる。そして、ようやくAIDSの治療薬が承認されるようになっていく。
余命宣告を受け、副作用があっても薬を求める患者。自ら未承認薬を国外から調達して配布していたロン。なんだか考えさせられる映画だった。
原題: Dallas Buyers Club
監督: ジャン=マルク・ヴァレ(Jean-Marc Vallee)
出演: マシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)、ジェニファー・ガーナー(Jennifer Garner)、ジャレッド・レト(Jared Leto)
米国アカデミー賞: 主演男優賞(マシュー・マコノヒー)、助演男優賞(ジャレッド・レト)、メイク・ヘアスタイリング賞(アドルシア・リー、ロビン・マシューズ)